Jリーグクラブのアジア戦略紹介、第1弾は神奈川県川崎市をホームタウンとする「川崎フロンターレ」の取り組みを紹介する。
川崎フロンターレは1999年にJリーグに加盟したクラブ。前身は富士通サッカー部で、Jリーグの中で最も地域振興活動に力を入れているクラブの一つで、川崎市と連携し清掃活動や防災訓練などサッカーの枠に留まらない様々な取り組みを行なっている。
2022年、コンサドーレ札幌から国内最高額となる5億円超の移籍金でタイ人FW・チャナティップを獲得したことでも話題になった。
タイ大使館を巻き込んだ大規模タイフェスを開催
クラブ創立26(フロ)周年記念、そしてチャナティップ加入の縁もあり9月10日に行われたのが、大規模タイイベント「抱きしめタイ!」だ。
試合前イベントの枠を超えた全16もの企画が用意され、その中には駐日タイ王国大使による始球式や、タイの国民的歌手によるハーフタイムショーなども行われた。
面白いのは、ムエタイやタイ料理だけでなく、「”タイ”ピング対決体験」や「”タイ”ルアート コースター作り体験」など川崎フロンターレのユーモアの効いたクラブカラーを感じさせる企画も含まれていたことだ。
当日の様子はタイ観光庁の日本向けメディアでも確認することができる。
タイトルを入力【写真で見る】9/10(土)開催 川崎フロンターレ 『抱きしめタイ!』イベント
ベトナムでのサッカースクール事業
コロナ禍の昨年、ベトナム・ビンズン新都市に開校したのが「KAWASAKI FRONTARE FOOTBALL SCHOOL」だ。現地在住の5〜12歳の子どもたちを対象とし、週1〜2回レッスンを行う。スクール生用にオリジナルユニフォームがあり、ベトナム人だけでなく、中国人や韓国人など多国籍の子どもたちが所属しているとのこと。(公式HPより)
スクール開校の背景として、フロンターレのトップパートナーである東急グループの子会社「ベカメックス東急」がビンズン新都市の都市開発に関わっていることが挙げられる。今年6月には、ベカメックス東急の日本人社員を対象にベトナムでサッカークリニックも行われた。
ベトナム・ビンズン新都市にてサッカースクール開校
ベトナムスクール、年代の垣根を越えて「サッカーを楽しむ」
外部組織との連携に優れた川崎フロンターレ
トップパートナーである富士通やタイ政府など、様々な組織を上手に巻き込みアジア戦略を展開する川崎フロンターレ。
錚々たる連携先にも関わらず活動に「堅苦しさ」が感じられないのは、川崎フロンターレの持つ遊び心故ではないだろうか。国内外での今後の活動にも注目していきたい。
(サムネイル引用:川崎フロンターレ 公式ホームページ)