サウジアラビアの政府系ファンドである公共投資基金(PIF)は、政府が進める国有スポーツクラブの民営化計画の一環として、クリスティアーノ・ロナウドがプレーするアル・ナスル、アル・ヒラル、アル・イテハド、アル・アハリの4つのトップサッカークラブの経営権を取得することを発表した。
この動きは、サウジプロリーグの収入を増やし、世界のトップリーグの中でその地位を高めることを目的としている。
同国はサウジアラビアプロリーグの収入を、4億5000万リヤル(約167億円)から2030年までに年間18億リヤル(670億円)に増やすことを目標としており、市場価値は80億リヤル(約2970億円)以上になる見込みだ。
サウジリーグは欧州のリーグとは異なり、支出制限がないため、PIFは高額な年俸で有力選手を誘致することが可能。この夏の移籍市場では、メッシ、モドリッチ、カンテなどに移籍の噂が上がっている。
スポーツは、新産業の構築と雇用の創出を目指す政府の経済多角化計画「ビジョン2030」の柱の1つであり、PIFはその計画の中心にある。
SPAの報道によると、この民営化計画は主にサッカークラブに焦点を当てており、サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が立ち上げたもので、企業や開発機関によるクラブへの投資や買収が認められている。
PIFの他、スポーツ省によると、2部リーグのサッカークラブ「アル・スコール」は会社化され、未来都市建設プロジェクトを推進するNEOMが所有することになり、サウジアラビアの石油大手アラムコはサウジ1部リーグのクラブ、アルカディアを所有し、3部リーグのアルーラFCはアルーラ王立委員会が所有し、1部リーグのアルディリヤFCはディリヤ門開発公社が管理する予定という。